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「せ~んぱ~い!お待たせしました~!」
神取をどうしていいか分からないで、リボンウサギを抱いたまま睨んでいると、用事を済ませた唯香が帰ってきた。帰ってきてしまった。
頬にちょっと赤い液体がついているけど、きっとあれはさっき唯香についていった不良の返り血なんだろうなぁ。この子はこんな小さいくせに、何であんなに喧嘩が強い。
正直木刀が無かったらこの子にはいくら喧嘩しても勝てない。
「…唯香、ほっぺに赤いのついてる」
「え?あぁ、すいません!予想以上に粘りやがって、大変だったんです!」
別に謝らなくてもいいのに、唯香は慌てて頭を下げた後、スカートのポケットを漁って何かを探している。何かってハンカチだろうけどさ。
「ほら、あたしの貸したげるから」
「ありがとうございます!ていうかあたしはもしかしたらこうなることを望んでいたのかもしれません!」
「だとしたら迷惑な話ね」
唯香にハンカチを貸すと唯香はハンカチを頬につけて…なんか究極の和み顔を見せて一人で極楽に旅立ってしまわれた。
別に普通のハンカチなんだけどな…。
「面白い子だねー、君のお友達?」
「うっさい…あんたはさっさと帰れ」
忘れるとこだった。
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