10人が本棚に入れています
本棚に追加
平日の昼間―――
普通の高校生ならこの時間は学校にいて、授業でも受けているような時間なんだろうけど、今日、あたしは街中にいる。
あぁ、それとあたしの名前は藤崎 鈴華(ふじさき れいか)。
別に特別な用事があるわけでもなくて、ただ学校に行きたくないから、こんな場所で暇を持て余している。
ちなみにこんな場所というのは、建物と建物の間にあってゴミなんかが平気で捨てられているような…いわゆる路地裏と呼ばれる場所なわけで…。
ここには面白いもんなんて決してないけれど、あたしはよくここに訪れる。
理由は単純。ここが人目につかないで、喧嘩に最も適している場所だから。
「てめぇ…なにしやがんだよ……」
退屈だからそこら辺に落ちていたビール缶のケースを椅子にして座っていると、まだ意識があっただらしない男が今にも死にそうな声を出していた。
凄いな…。あんだけ木刀でボッコボコにしてやったのに、まだ意識あったんだ。
「あんた達が喧嘩売ってきたんでしょ。それで返り討ちにあっただけ…」
あたしは今にも死にそうな男を見下しながら言ってやった。
まぁ、こいつは他の気絶してる男どもとは違って、少しは根性あるみたいだけど。
最初のコメントを投稿しよう!