何も分からないままだけど

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 いつまでも負け組どもと同じ空気を吸っているのも気に食わないので、あたしは路地裏を後にして、適当に街中をぶらついている。  もちろん、愛用の木刀でボコっておいた雑魚連中はあの場に放置してきたけど、いつものことだから、問題ないでしょ。 「あー…。腕痛いな…」  さすがに5人相手に一人で喧嘩するのは多少なりとも無茶があったんだろうか…。  左腕は利き腕じゃないから別に影響はないんだけど、それでもやっぱり万全の状態で喧嘩して、清々しいくらいボッコボコにしたい。  でも今日はもう粗方すっきりしたから、退屈だし、少しぶらついたら学校にでも寄ってから帰ろうかな…。  バイトがない日は暇で仕方ないからいけない。 「せ~んぱ~い!!!」  適当にぶらついていると、果てしなく…そして嫌というほど聞き覚えのある声が聞こえてきたので、あたしはとっさに振り向いた。  警戒していたのだが、時すでに遅しというわけで、あたしの眼前には獲物を目の前にした猛獣のような"女子"が迫ってきていた。 「どーん!!!」 「おっふ!!」  女子に突進されたせいで自分でもわけの分からない声を上げたあたし。
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