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「可愛いの?これ」
「はい!だって鈴華先輩みたいに木刀持ってるんですよ!?」
「あぁ、そこね…」
確かにあたしはいつも木刀を持ち歩いているけどもさ…。今だってこうして剣道で使う竹刀用の袋に入れて持ち歩いてるんだしさ。
でもあたしはこんなにふてぶてしい顔をいつもしているんだろうか…確かに笑いなんてしないけど…。
あれ?こいつはあたしか…。なんか親近感が湧いた。
「ちなみに鈴華先輩はどれがいいと思いますか!?」
財布でも探しているのか、バッグの中を懸命にあさりながらそんなことを聞いてきた。いかにも興味無さげだなぁ…。
「あたしはあの…」
「ま!奥のウサギだけはないですよねー!なんかリボンなんか付けちゃって、狙い過ぎですよねー!あれを好きだとか言う女は、ぶりっ子かチョー純情!」
「………不良だって…不良だってたまにはウサギを好きになったっていいじゃない…」
確かに恋なんてしたこともないような不良の女だけどさ…。たまにはこういう………。
あ、いや、別に可愛いとは思ってないから、いいんだった。
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