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「鈴華先輩、なにぶつくさ言ってんですか?」
「いや、別になんでもないから」
「そうですか!では、わたしはちょっと鈴華Jr.を回収してきます!」
唯香は財布が見つかったらしく、小銭を握りしめて無邪気な輝きを込めた眼差しを…木刀ネコに向けていた。鈴華Jr.はもちろん却下です。
それにしても、あたしはユーフォーキャッチャーなんて興味ないし、したことがないから分からないけれど、これって何がいいんだろ。
だって、あのクレーンは明らかにぬいぐるみを持ち上げられるような大きさじゃないし、はしっこの奴にいたってはもはや取れないことが前提じゃない?それを取りたい気持ちが分からない。
「ねぇねぇ!きみたち、近くの高校の子だよね!?」
あたしがユーフォーキャッチャーについて考えていて、唯香が木刀ネコを取るのに夢中になっていると、いかにも軽率そうな野郎が声をかけてきやがった。
私服だからよく分かんないけど、たぶん高校生じゃないかなぁ、と思う。ということはサボりか。不良だ不良。
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