第1章~再び、始まり~

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「ここで少し、待ってなさい」 オデッセル先生に言われて待った。 この学校は普通だったので、廊下の壁にもたれ掛かった。前の学校は廊下がなかった。ある所もあったが。 「暇だな……。そうだ!バランスゲームしよ」 小さな声で言った。通学かばんを頭に乗っけて、遊んでいた。これがバランスゲームだ。 5分程たった。 「入って来なさい」 オデッセル先生に呼ばれて教室に入った。 皆の視線がぼくに向く。ぼくは緊張しなかった。三十人程度だと全く問題ない。 ぼくの誕生日は毎年、千人近く入るホールで行われる。それに比べれば何ともない。 この時代は皇太子や女王はいない。天皇もいない。唯一、いるのが大統領と政府。国を支える柱が今は一本となった。代わりに大企業の上層部は崇められてる。 上層部といっても一番上のトップだけ。その家族達も。
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