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ぼくはこの文章を読んで思わず吹き出した。二十五世紀の真っただ中に、こんな文章があるなんてさ……!
けれど、今みたいに科学が発展している世界で、こんな夢みたいな事、ある訳がない。
馬鹿げてる。それにしてもおかしい。父さんがこのエンジェリンという本を買ったのかな?
ドアをノックする音が聞こえた。おそらく、執事のゴンドー・セイラビだ。
ドアが開く。やっぱり、そうだ。ぼくはゴンドーに声をかけた。
「ゴンドー、何か用かい?」
「いえ、あのですね……、そろそろ学校の時間ですので、身仕度を……」
ゴンドーはいつもながら礼儀を忘れず、礼をしてきちっと言った。
「仕度が終わりましたらお呼び下さい。車はもうあります」
「わかったよ。なるべく早く行くから」
そう言うとゴンドーは最後に礼をして図書室から出て行った。そう、ここはぼくの部屋じゃない。
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