第1章~再び、始まり~

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ぼくは図書室をあとにした。迷路の様にものすごく大きいこの家も慣れてしまえば楽だ。 普通、自分の家で迷ったりしない。けれど、この家は桁違いに広い。それに、厄介で面倒臭い物もある。 ぼくは、その厄介で面倒臭い物を見つけてしまった。監視カメラだ……。 「嫌だなぁ……」 悪態をつき、黙った。息を整え、ぼくは監視カメラの死角に入りこんだ。壁を押して、中に潜り込む。薄暗い街灯らしき光の物体がある。 ぼくは監視カメラに注意して通路を出た。 良かった。誰もいないし、死角に入っている。 ぼくは静かに自分の部屋に入った。服は着替えてあるからカバンの準備だけだ。 「学校か。学校も嫌だよ。どうせまた、変な目に合う」 さぁ、今日から新しい学校。父さんと母さんの話だと今日は旅行で学校に来ないと言っていた。 どんな子だろう?ぼくのフィアンセは。
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