第1章~再び、始まり~

5/46
前へ
/348ページ
次へ
ぼくはカバンを持って螺旋階段を降りた。この家って、面倒臭い事ばかりだ。 「ダリー!もう行くの?」 母さんが話かけてきた。 「今日は学校だからなぁ……」 父さんも加わって母さんの額にキスする。 「ちょっと、コール!!」 父さんの名前はコールディル・ベンチャーズ。母さんは父さんを愛称でコールと呼ぶ。 「何でだよ?アミィ」 そう呼ばれたのは、母さんのアミリア・ベンチャーズ。父さんも愛称でアミィと呼んでいる。困った夫婦だ。 ぼくは朝からいちゃつく両親を無視してさっさと家を出た。 外に出ると執事のゴンドーとぼくのボディーガード達。それと、ぼくの目の前にあるリムジンを運転する、ロベルト・ウィムリース。 「いってらっしゃいませ。おぼっちゃん」 ゴンドーが静かに言う。 「うん。行って来る」 ゴンドーの方からロベルトに向いた。 「おはよう、ロベルト。今日も頼むよ!」
/348ページ

最初のコメントを投稿しよう!

186人が本棚に入れています
本棚に追加