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ぼくはカバンを持って螺旋階段を降りた。この家って、面倒臭い事ばかりだ。
「ダリー!もう行くの?」
母さんが話かけてきた。
「今日は学校だからなぁ……」
父さんも加わって母さんの額にキスする。
「ちょっと、コール!!」
父さんの名前はコールディル・ベンチャーズ。母さんは父さんを愛称でコールと呼ぶ。
「何でだよ?アミィ」
そう呼ばれたのは、母さんのアミリア・ベンチャーズ。父さんも愛称でアミィと呼んでいる。困った夫婦だ。
ぼくは朝からいちゃつく両親を無視してさっさと家を出た。
外に出ると執事のゴンドーとぼくのボディーガード達。それと、ぼくの目の前にあるリムジンを運転する、ロベルト・ウィムリース。
「いってらっしゃいませ。おぼっちゃん」
ゴンドーが静かに言う。
「うん。行って来る」
ゴンドーの方からロベルトに向いた。
「おはよう、ロベルト。今日も頼むよ!」
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