第1章~再び、始まり~

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フランス語を習っている理由もわかった。ここの生徒のほとんどがフランス語で話している。 中にはドイツ語のなまりの入ったスイス語の人がいた。 ぼくはフランス語を習い始めたばかりだ。 「何言ってんだろ?ちっとも分かりやしない」 その前にはイギリスだ。ぼくが生まれたのがイギリス。ぼくの場合、国籍は元々、今ぼくがいるスイスのジュネーブに置いている。 「ダリー・ベンチャーズ君。ついて来て下さい」 校長先生らしき人がスイス語でぼくを呼んだ。 「スイス語はわかるのですね?」 どうやら本当に校長先生みたいだ。スーツのポケットに校長『ツェッサナ・カーフェイサ』と書いてある物がついていた。 ぼくは変わってる名前だと思った。 「英語とイギリス語とイタリア語とスイス語は……。フランス語は勉強中です」 ぼくは少し小さくなって校長先生についていた。
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