ハザマ

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見慣れた授業風景がそこにはあった。 今では懐かしい、もう戻る事のないはずの我がクラスの授業風景。 マルちゃんと皆に呼ばれるマン丸顔の数学の先生が、ニコニコした笑顔で黒板に問題の解答を書いている。 私もいつの間にか、学生服に身を包み、自分の席に座っていた。 「消しゴム貸してくれない?」 優斗は両手を合わせて申し訳なさそうに、でも笑顔で私に頼んできた。 「あ、うん」 机の上に広げられた数学のノートの上に置いてあるちょうど半分程度削れてる消しゴムを優斗に渡した。 優斗は「さんきゅー」と私に背を向けた。 それはごく自然で、居心地の良い風景。 優斗の背中をいつも見ていた私。
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