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私と謎の少女は、一瞬で空に移動した。
「えーっ!?」
私は叫んだ。当たり前だ、強い風に乗って、本当に空を飛んでいるのだから。
不条理だけど、確かに青空を鳥のように飛べている私と少女。
下には壮大な草原が広がっていて、とても気持ち良い。
「凄い!!ほんとに空飛んでるよ私!!」
最初はちょっと怖かったけど、自然に微笑んでいる私がいた。
『やっぱり、本当に狭間だ』
「だから、狭間って何のこと?教えてよ」
『ここは、みんなの世界の境目。現実でも非現実でもない狭間の世界だよ』
「え?全然理解できないんですけど…」
『誰かに聖域とも呼ばれる世界。“神様”のいない世界だよ』
「ヤバい、ますますわからない…。神様なんてもともといないでしょ」
『それは違うよ』
少女はクスクスと笑った。
「うむー。いったい何なんだ…頭痛くなりそう…」
『それじゃ、アコルに会いに行こうよ』
「アコル?誰それ?」
『会えばわかる』と少女は私の手をぎゅっと握り締めた…。
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