『車輪の唄』

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空がまだ暗く、陽も昇らない明朝。 ボクは自転車で坂を登っていた。 線路沿いの坂道。傾斜は激しくはないが緩やかではない。 …ぶっちゃけ、きつい。 錆び付いた車輪がきぃきぃと悲鳴をあげる。 しかし、ほぼ毎日登る坂でもあるのでもう慣れた。 駅へと続く坂道。 線路沿いの坂道。 後ろにキミが乗って、ボクがこぐ。 寄り掛かるキミから温もりが確かに伝わる。感じられる。 そんな毎日。 いままでの毎日。 〆
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