プロローグ

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「親父、俺は家を出るぞ」 「何故だ?お前はこの商会の跡取りなんだぞ」 俺が親父に家を出ると言ったら親父は厳粛な態度で応じていた。 俺はそんな態度にどうじることなく続けた 「理由は言わなくてもわかるだろ?」 「……そうか。なら、好きにしろ」 親父はそう言うと俺に背を向けて喋らなくなった。 俺にはここにはいたくない理由があった。 親父もそれを分かっているからあっさり了承してくれた。 俺は一礼をして部屋を出ようとドアノブに手をかけた。 「……身体に気をつけろよ。辛くなったら戻ってこい」 最後に親父らしい言葉をくれた事に少しジーンとした。
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