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「…桜の花が満開に開き、まるで私達の事を祝福してくれている様です…」
静かな体育館にそう響き渡る
「…以上で終わりたいと思います。新入生代表、神岡大翔(カミオカヒロト)…」
大翔はそう言い切ると少し息を吐き前を向いた
それと同時に話を聞いていた教師や生徒が拍手をし始めた
拍手が起こる中、大翔は壇上からゆっくりと降り、自分の席に戻っていく
席に着くときに隣の席の人を見たのだが、大翔の顔を見た途端、嫌な顔をして目をそらした
それもそのはず、大翔の髪はボサボサで顔全体が隠れていて、眼鏡もビン底みたいな物を掛けていて…あまり印象のいい姿ではなかったからだ
大翔はその行為をそれ程気にせず席に着いた
まぁ、この格好じゃ仕方ないな。だって、今の俺は…
そう思いながらもまだ終わらない入学式に意識を集中させていった
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