序章

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  コツッ 「……こっから落ちれば……」 物質と空中の境目に1人の少女が佇んでいる。 「ねぇ。死ぬの?」 今、まさに飛び降りようとしている人を目の前に楽しそうな声が掛かった。 (いつの間に……) 「と、止めても無駄よ。絶対、死ぬんだから」 「止めない。でも何で死ぬか教えてよ。そのくらいはいいでしょ?」 死ぬのは怖くない。 遺書も書いてある。 でもコレが最期と思うと誰かに話したくなった。 「……親友に彼氏を寝取られたの。だから辛くて……」 「……そう。でも多分、その親友は泣いてるフリをしながら笑うよ?“馬鹿な奴”って」 簡単に想像が出来て、涙が滲む。  
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