45人が本棚に入れています
本棚に追加
女は、店の前でちょこんと待っていた。
俺は、女のそばに行き、「あれから、ちゃんと帰れたんかぁ?えらく酔ってたし、泣いてたから心配してたし。」
女
「ちゃんと帰りました。ご心配おかけしました。」
俺は、女がそう言って頭をさげたので、聞いた。
零
「君名前何て言うん?何歳なん?」
女
「あたしは、愛花。愛の花って書くの。年は21です。あなたは?」
零
「俺か?零って言うよ。年は、愛花ちゃんとタメやな。」
愛花
「愛花ちゃんじゃない!愛花って呼んで。分かった?零ちゃゎ。」
(れ、零ちゃん?いきなり?)
零
「愛花ね。愛花は何で、あの時一人で酔って泣いてたん?」
愛花はうつむいて黙っている。やがて顔をあげて、「あたしね、男に騙されて風俗に入れられそうになってたの……それで逃げ出してあの公園で飲んでたんだぁ…でも、大丈夫だから。ちゃんと男と別れたし。」
零
「そっか……変な事聞いてすまない。心配だったんだ。」
愛花
「でも零ちゃんにケッコー感謝してるんだぁ。あんまり男の人に優しくされた事なんてないし、黙ってマフラーをかけてくれて、すごく優しさが伝わってきて、男という存在を完全には嫌いにならなくてすんだんだから。」
最初のコメントを投稿しよう!