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「……っ!…頭…痛い…」
「…身体が…節々が…イタタタ…」
ブツブツと文句を言いながら、二人は目を覚ました。
空は茜色に染まり、窓の向こうで雲が棚引いている。
「…ウーラさん…ごめんなさい…」
まだボンヤリしている頭で呟くと、ウーラはクスクスと笑い始めた。
「…可笑しな話だな…小町、お前となら1ヶ月…やっていけそうな気がする」
「…私も…そう思います…」
起き上がり、二人は外に出る。
潮風が頬を撫でて、通り過ぎて行った。
長閑な朝の風景に目を細めて、二人は背伸びをする。
「…小町…」
「…はい…」
「綺麗だな…」
「…眼鏡が無いので良く見えません」
「…残念だ」
『他愛も無い会話』と云うのは、気を使わないで交わす言葉だ。
小町は身体が軽くなった様な気がして、少し笑う。
ヘンなの。
でも…嫌じゃない。
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