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次の日。
小町は何時もと変わらない自分を装って、ウーラと接する。
夢ならば、楽しい方が良い。
のんびりと過ごす1日は、穏やかになる何処か不安ばかりが募っていった。
翌日、翌々日と、小町の心は暗くなるばかりで、最後の1日はウーラと大喧嘩してしまったのだ。
思った事を口にするウーラ。
図星だから腹が立つ。
否定すれば、ウーラは更に怒鳴ってくる。
彼は自由だから、不幸ではないから、言いたい放題小町を傷つけてくる。
こんな時、暫く離れるのが暗黙の了解で、次の日までにお互いが頭を冷やして謝るのが、二人が1ヶ月で築いた形だった。
お見合いの身代わりでウーラと出会い、毎日を共に過ごして気付いた事がある。
まだ、彼を良く知らない。
だから知りたい。
お見合いって何だろう?
良く知りもしない相手と、恋愛を飛び越して結婚する訳だが、未知数な未来は解けない謎の様だ。
ヴォイニック写本を解読しようとする学者の様に、二人の価値について議論を続けていくのだろうか。
反する意見の先に見える真実が、恋愛をして行き着いた人とどう違うのだろう。
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