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小町は湯船に浸かりながら、悶々と考えては頭を抱えた。
問題が解決し、ウーラとの結婚が決まったら、あんなマニアックなもので無くても、行為をする仲になるのだろうか。
まだ…き…きききキスだってした事ないのに…!
恥ずかしい。
恥ずかしくて、湯の中へ潜り込んだ。
そうした所で、意味は無いと分かっていても、悶えずにはいられなかった。
どうしよう…ウーラさんに迫られたら…私…あんなにオッパイ大きくないし…ズングリムックリな体型だし…ガッカリされたらどうしよぉ~っ!
キス…されたら…あああああのウーラさんにそんな事されたら…。
「恥ずかしぃぃぃぃぃ!!」
そ、そうよ!お見合い相手じゃない!
手を出す訳ない…ウーラさんが…あ…でも、それは寂しい…。
さ、寂しいなんて…!
違う違う!そんなんじゃない!
頭がグルグルと回って、這い上がる様に脱衣場で身体を拭う。
バスローブを羽織り、腰紐を強く結んだ。
様子を伺いながら、ゆっくりとドアを開くと…。
『私…貴方の傍に居られて…本当に幸せだったよ…有難う…ケンちゃん…』
『ば…馬鹿言うなよ…!何だよ、最後のお別れみたいな事…言うなよ!!』
涙々のワンシーン。
どうやら映画を観ている様だ。
ウーラの背中が少し揺れている。
「うっ…!沙耶…何で…!う゛ぅ…何で病気の事を…」
…泣いて…ます?
やはり泣いている様である。
何となく、ウーラは感動する映画を真剣に観て、本気で泣きそうな性格だ。
現に泣いている訳だが、可笑しくて小町は笑う。
邪魔をしないように、ゆっくりとベッドに腰掛けた。
『…沙耶…?おい…もう直ぐ海だぞ…?沙耶…さ…沙耶ぁ…起きろよ…起きろよぉぉぉ!!』
「うっ…!か…悲し過ぎる…!」
「…えっくっ!ヒック゛…そんなぁ…死んじゃうなんてぇ…」
あれよあれよで小町まて大泣きしていた。
「小町…お前…いつの間に…グスン」
「30分前がらぁ、隣に居ましたぁ!エグエグ」
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