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「何ですって!?」
廊下に響く叫び声。
紅は怒りで拳を握り締めている。
「どう言う事なの!?説明しなさいよ!!」
「…ですから、これは当主が決めた『お見合い』だと申し上げました」
側近の男性は何ら変わりなく、平然と話しを続ける。
聞けば聞く程、紅は激高して肩を震わせた。
「相手の名前を教えなさいよ!一体誰なの!?何者なのよ!!」
どれだけまくし立てても、全く教えてくれなかった。
「…一体…どうなってるの…」
小町ぃ…ごめんねぇ…。
こんなお見合い、聞いた事も無い。
紅はどうしようも無くて、只、立ち竦んだ。
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