この醜き感情

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この醜き感情

 人間が持つ感情である愛情、人を愛したい気持ち、憧れ、傍にいたい気持ち…しかし、それは少しの違いで変わる…それこそが憎悪、憎しみ…。 愛情と憎しみはどっちが多い少ないではない、どちらも同じで愛情の分が憎しみ、憎しみの分が愛情に変わるのだ。 「ふぅ……んぁっ」 「…っ……」 部屋に響くのは熱を帯びた声、汚く鳴る水音、金属音だ。 「うぁっ……やぁ…もぅ」 「…もうじゃねぇ…お前には選択権はねぇんだ…お前はただ俺だけを見ろ、俺だけを感じろ」 そう言い後ろを激しく揺さ振られれば熱帯びた声は一層高くなる。 「お前は俺の虜になってりゃいいんだ。…俺の傍にいりゃ大人しくしてたがお前にはがっかりしたよ…」 「…ぃや…勘弁し…て…」 行為を始めて随分経つが中に埋められた物は熱が冷めるどころか益々上がっている。 動かすたびに中に出した白濁が伝っていき互いの下半身を汚していく、どちらのとも言えなく混じっている。 「…いいか、お前は俺の物だ。」 片手で首を軽く絞めれば息が出来なくより一層目頭に涙が溜まり伝い落ちる 「…がと……ぁ……ぁ……」 「本当はお前のこと殺したいんだよ?だが殺したらこの愛おしい体温が無くなっちまう……。それは嫌だからお前は生かされてるんだ…俺によって生かされてんだよお前は?そして生きるためお前は俺に尽くせばいいんだ俺だけのになればいいんだ」 激しく腰を打ち付ける力を強くすれば骨に当たる感覚、それにお前の掠れた声、身体を伝う汗に俺達のどちらのか判らない白濁、両手首から首にかけて付けられた鎖、これは一種の契約だ。 俺にとってお前が必要なようにお前は俺が居なきゃ生きていけない、俺が居なきゃ何も出来ないんだ。 だからお前は俺を求めればいいんだ。 殺されたくなければ俺に従え、選択権は無い、俺に従属しろ………。 お前は二度と光には曝させない。 俺しか見れなく、感じられないようにしてやる。 END
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