冷たき美しい塊

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冷たき美しい塊

広がる世界の色は空の青、たまにある雲の白と残りは生物から噴き出るどす黒い赤や鮮明な紅…あか、あか、あか、あか、あか、あか、あか、あか、あか…………それが今の俺達が生きる為行うことと生きる意味、生きる価値を認めてもらえる世界……。 戦争は哀しみしか産まないと誰が言った、現に俺は喜びを身体に覚えている人と呼ばれた生物が冷たくなりあかを出し切った姿程脆く美しい芸術品に見える直ぐに腐ってしまうのが難点だがそこを抜けば人間の死体は美しい……。 冷たくなった肉の固まり…塊…どちらでとらえますか? 俺達は固まりは失敗の芸術作品で醜く肉が緩んでるものはこの固まりを使う、塊の場合は美しい本当に生から一気に死に至った生を見れる冷たい死体をそう呼ぶ、人間死ねばあっという間にただの塊にして焼かれて灰になるかそのままにされ腐っていき消えるか……はたまた昔のように食料として食べられるか……。 「馬鹿らしいな…」 「君がそんな事言うなんて珍しいね…」 「俺だってたまにゃそういうよ…しかしお前は笑顔で人を殺す奴がいるとはな」 「僕は嫌な事から逃げるため笑顔になるのさ…君だって嫌だ嫌だ言って君は実験や研究を辞めないのと一緒さ」 二人は笑う自分達の目の前にある死体達を見ながらその冷たい塊の美しさに酔いながら……。 END
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