愛すると言うのは

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愛すると言うのは

『愛するということは難しい?簡単? …でもやっぱり簡単じゃその人に対しての思い入れが薄いのかな…なんて思う今日この頃です、だからしばらくしたら会いに行きます。 例え何処にいようとも…お土産持っていくので楽しみにしていてください。』 そんな手紙の最後の文…一体何を書きたかったのか…月見酒にほろ酔いしながら手紙を再度見る、この手紙が来てから二週間が経ったが音沙汰無し…。 柄にもなく心配になってくる自分がいると高杉は自分を笑う (まぁ俺を見付けられねぇのかな…ちゃんとお前が見つけられるよう俺は毎晩こうして過ごしてるのにな……) 中身が空になった徳利を軽く振りため息をつく 「…らしくねぇ…」 つくづく自分の今の姿が情けなく感じる、どうしてこうなったのか原因は知っているが他の人からすれば馬鹿馬鹿しいかもしれないこの気持ち、だがこれはアイツ…辰馬にだけの気持ちであって普段はこんなじゃない。 今はただこの紙に書かれた文字が俺を狂わすのだと言い聞かせ月を見上げる…ああ…アイツも見ていればいいんだがこの宙(ソラ)のどこかにはいるのだろう…だが見上げてもそれはわからない…。 (愛…簡単か…まぁ簡単な奴もいるかもな…だがまぁそれは一時的の愛を味わいたいだけの行動だよな…) 渇いた心が全身へとじわじと血が渇ききっていく…ああ、だから早く潤いが欲しい…。 だから早く来てくれ…俺に潤いをくれよ…俺の傍にいてくれ……。 END
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