部屋とドル円と私

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「な…な…なんじゃこりゃ~~~」 なんとマイポジションがきれいサッパリ無くなってたんです。 そして画面には 「ロスカットのご連絡」という文字が… ロスカット?マスカット?そうかケントデリカットのことか。 朝寝ぼけてた俺はその意味が理解できず頭に?だけが浮かんでました。 いや、俺だって一応ロスカットぐらいは勉強してから注文しましたよ。 でも、俺が注文したNZドルはレバ10(レバレッジが10倍の略)で証拠金が6万円。 証拠金率が30パーセントを切るとロスカットのルールなので 4万円ぐらい(レートなら400pips)マイナスにならないとロスカットにはならないはず……。 それがたった一晩で泡と消えたら、ケントデリカットだって目が点です。 これを見て、 「いくらなんでも一晩で400pipsは嘘やろ」 と思ったそこのあなた。 はい。嘘です。 正確には一晩じゃなく、3時間30分です。(そっちかい) 今はあまりそんなことありませんが、当時は皆が、彼氏の車でピアス見つけた女の子ぐらい疑心暗鬼になっており、ボラリティがめちゃくちゃ高かったんです。 俺は貧乏性のくせにギャンブル好きという面倒な性格なので、その負けで凹むどころか松岡修三よりも熱くなりました。 そして、初めて入金した次の日に再入金するという通常有り得ない行動をとったのです。 (分かりやすく言うと競馬でメインレースの後に金を卸しに行くようなもんです。……って余計分かりにくいか) その後、更なる悲劇が待ち受けているとも知らずに……。
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