No.14

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「湊クンに私が殺せるのかな」 杉浦はゆっくりと肩を抑えながら立ち上がった 「殺せるよ。俺はアンタを憎んでるから」 「フフ…無理だよ。湊クンには殺せない」 杉浦はニタニタと笑っている むかつく その余裕はドコから出てくるんだよ どうみたって俺の方が有利だ もし杉浦が攻撃してきたって俺はその前にバットで杉浦を叩ける自信だってある 「何を寝ぼけた事を」 「じゃあ殺しなよ」 「っ!!」 何を言ってるんだコイツ 「殺せるなら殺してみなよ」 「あぁ!!殺してやるよ」 できる 俺は殺せる 俺はバットを大きく振り上げた その時 「っ!!」 いきなり背中にものすごい痛みが走った 痛んだ場所をゆっくりと触ると生暖かい液体が手についた 「…血」 俺は刺されたんだと思った直後にいきなり傷が痛みだした 痛い。痛い。焼けるように痛い 俺はその場にしゃがみこんだ 誰が…誰が俺を刺したんだ。 杉浦は目の前にいるし そうか共犯者が他にいたんだ クソ油断してしまった 俺が苦痛に顔を歪ませていると 後ろから聞き覚えのある声が聞こえた 「ごめんね湊。でもこの人は殺させないよ」 この声は… 俺はゆっくりと後ろを向く するとそこには 可愛らしい笑顔で刃物を持って立っている 今、俺の家にいるはずの人物がそこにいた 「つっ……筑音」 。
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