No.14

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「どうし‥って‥…筑音が」 まさか筑音が俺を刺したとは あまりにもショックな出来事で俺は何回も筑音の顔を見てしまった 「あんまり…喋らない方がいいよ湊。血が意外とでてるしね」 しかし何回見ても目の前の筑音があまりにもいつも通りの顔だから…ついコレは夢なんではないかと思ってしまった しかしコレは現実。どんなに強く目を瞑っても目の前の状態、背中の痛みは変わらない 筑音が俺を刺した事は現実 「どう…してなんだ…よ。筑音」 友達だったじゃん どうして杉浦の見方なんだ 俺の目からサラサラと涙が流れてきた 「あのね湊。湊が殺そうとした人は僕の義理のお兄さんなんだよ。まぁ今は離婚したから関係ないんだけどね」 筑音は杉浦に近づき杉浦の目の前に立った 「そして、俺の好きな人なんだよね。香さんは帰っていいよあとは俺がやるから」 「悪いですね。では先に帰っています筑音」 杉浦は筑音の頭をさすって歩き出した 「ちょっ…待て…杉浦」 やっと殺せると思ったのに、ココで逃げられるわけには行かない 俺は必死に立ち上がろうとした しかし 「いっ…」 思いっきり足を踏まれた 「フフフ…わかってないね湊は。さっきの話聞いてなかったの?僕は香さんが好きなの。だから湊が香さんを殺そうとするなら僕がその前に湊を殺すってことなんだよ」 「筑音!それっ…本気で…言ってんの…か?」 「本気じゃなきゃ湊を刺したりしないよ。」 「友達だと思ってたのに」 「僕は一回も湊を友達だと思ったことないよ」 「えっ…」 胸が痛んだ。刺された傷よりもめちゃくちゃ痛い 「じゃあね。湊」 その時頭にすごい衝撃がきた 俺の意識は徐々に途切れていった 最後に見えたのは筑音の今にも泣きそうな顔だった そして 「ご…んね」 筑音が 何かを言ったのが聞こえた 。
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