No.16

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「つ…筑音!!」 クリクリとした目 細い線の輪郭 フワフワとした髪 細い腕 長い足 細い腰 間違いなく筑音だ 俺が声をあげたら その店員…筑音は俺をビックリした目で見た 「筑音。俺…おまえの事心配したんだぞ。杉浦が死んだからおまえももしかしたらって思って」 俺が話している間、筑音はポカーンとしていた 「おい!筑音」 「あの…お客様誰かとお間違えになっていませんか?」 「へっ?」 いや…どうみたって筑音だよな 「いや…筑音だろ」 「いや…筑音ではなく朋樹(トモキ)ですけど私」 えっ…朋樹?筑音ではなく よく見るとその朋樹と名のる人の目は抹茶色だった 筑音の色は薄く茶色がかかった黒い目だった そして、一人称が『私』だし 筑音は『僕』だよな 「あ"…」 完璧人間違えだ… はずっ!俺、はずっ! でも、目以外はそっくりだし 双子か?双子なのか 「あの…すみません。人間違えだったようです」 「いいえ。気にしないで下さい…少しビックリしただけなので」 「あの…兄弟とかは」 「一人っ子です」 えっ…コレが他人の空似というやつなのか? 「えっと…本当にすみません」 「いいえ…本当に気にしないで下さい。私の顔がよほど誰かに似ていたんですね。お友達とかですか?」 友達… 「はい。親友だった奴です」 。
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