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俺はいつの間にか花壇の前の…あの新一のお気に入りの場所のベンチに来ていた
「…ココ、久しぶりに来たな」
鼻がつまってるような声で、そうボソッと呟いてみた
俺の声が静かな空間に響き
そして、消える…
空を見上げると薄灰色の空が視界いっぱいに見えた
すると、不意に視界が歪みだす
「まだ…出るのか」
さっきまであんなに出てたのに
また、涙は出てきた
「宇佐美先輩…」
宇佐美先輩が眞鍋先輩を好きなんなら…二人は両思いってことなんだ…よね
なら、俺は別れた方がいいんだよな
でも、このまま知らん顔して別れなければ…
なんて、ことを考えてしまう
ポツン
ポツン
頭に雨が落ちてきた
そして、勢いよくザーザーと降ってくる
わかってる
わかってるよ。それはいけないことだって
まるで、神様に叱られてるような感覚になる
冷たい雨がYシャツに染み込み肌に張り付く
俺は下を向きその雨を受ける
。
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