No.24

9/13
前へ
/334ページ
次へ
ザーザーザーザー 雨は止むこと知らないかのようにどんどん激しくなる 何十分ここに居るんだろうか チャイムの音は鳴ってないからまだそんなに時間がたってないだろう けど、物凄く時間がたった感じがする いや、もしかしたらチャイムが聞こえなかったのかも 本当は何時間もたっているのかも なんて事を考えてる間も 俺の頬には温かい滴が流れている すると不意に俺の身体には雨が当たんなくなった 雨の音がザーザーザーザーするのに まるで、自分の上だけ降ってないみたいな ゆっくりと上を見ると黒い傘を持っている新一の姿が見えた 俺の顔を見ると新一は 「ぶっさいくな顔」 っと、少し微笑んだ そして、俺の頭に白いタオルをかけ自分のブレザーを俺にかけてくれた ザーザーザーザー 雨の中ずぶ濡れな俺とその俺に傘をさしている新一 二人の間に会話がない 俺はまた下を向き思いっきり泣いた 今だけは、雨が声を消してくれる 何があったのか聞かない優しい新一の行為に甘え俺は声が枯れると思うほど泣いた 。
/334ページ

最初のコメントを投稿しよう!

7021人が本棚に入れています
本棚に追加