No.24

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電話で迎えの車を呼び まだ、車が来るのに時間がかかるらしいから俺はいつものベンチに行くことにした ザーザーザーザー 雨がどんどん激しくなる それと共に体のだるさが酷くなる 「誰だ?」 ベンチのところに人影が見えた ゆっくりと近づくとそれは下を向いているけど湊だとわかった ずぶ濡れで どこか儚げで 今にも雨に流されて消えちゃうような感覚を覚えた 俺は体が勝手に動きいつのまにか湊に傘をさしていた すると湊は一瞬ビクッと硬直してから俺の方を見た その顔は雨にビショビショに濡れていて目が真っ赤になって色っぽかった ズクン やべ…欲情しちまった それを隠したくて俺は 「ぶっさいくな顔」 っと、言ってしまった ガキだな俺も そう思い微笑んだら、それを見た湊もヘラっと笑った 俺は鞄からタオルを出して湊の頭に乗せブレザーをかけた なんかムカついた ヘラっと笑った湊に対してと 湊をこんなんにした奴に対して ザーザーザーザー なんか 頭いてぇ…な 雨の音と湊の微かな泣き声を聞いているうちに俺は意識が徐々になくなっていた 。
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