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長いアフタヌーンティーの時間を過ぎ、貴族の子息が待たせていた馬車で帰りました。
その後、一つ稽古をしてから、朱金の騎士の元へと王子様は向かいました。
きっと今頃、母様が父王様に相談をしている頃でしょう。
その結果が何と無く分かった王子様は、早く剣を見たくて堪らなくなったのです。
朱金の騎士は鍛錬中でした。
真剣に大きな剣を操ってました
流れる様なその動きに、王子様は魅入ってしまいました。
朱金の騎士の腰には、彼の剣の鞘に納められた王子様の枝の剣が、鞘の中を揺れてます
一通り構えを作った朱金の騎士は、王子様に一礼してから近付きました。
「心配しなくとも、誰にも触れさせてはません。
必ずや王子様の手に戻るでしょう
そうしたら、私が鞘を作りましょう」
朱金の騎士は黒に朱の羽帽子を取り、王子様に被せました。
「よくお似合いですね」
優しさを含んだ声に、王子様は嬉しくなりました。
剣を習うなら彼にと思いました
羽帽子の朱い羽は王子様の髪よりも赤く、朱色の髪や白い肌、可愛らしいそばかすで、王子様が優しい顔に見えました
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