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「王子、大きくなって‥
よく来てくれたの」
枝垂れ道の終点の川を渡って開けた場所に、先の王様。王子様の御祖父様が住んでらっしゃる屋敷があります。
「はい
御祖父様が贈ってくれた馬に乗れるようになったので、見て戴こうと参上致しました。
伯父様はまだ旅の途中ですか?
ふふ
相変わらずなんですね」
王子様は御祖父様と父王様の弟の伯父様が大好きでした。
お城と屋敷はとても離れているので、滅多に会う事が出来ませんでしたが、これからは子馬の成長と共に会うことが容易となるでしょう。
「どれ、
王子がどれだけ成長したか、話しを聞こうかな」
王子様は優しい人達に囲まれて、とても幸せでした。
「そうだ
御祖父様はこの剣、どんな風に見えますか?」
「ほぅ
噂の枝の剣だな
よく使い込まれている‥‥‥‥銀の剣じゃ。模様に汚れが入っておる。丁寧に磨いてやりなさい」
朱金のお供を引き連れて、先の王様と王子様は噴水の有る中庭へ歩きました。
召し使い達がテーブルやティーセットを運び出して、お茶会の準備をしてくれているからです。
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