92人が本棚に入れています
本棚に追加
/294ページ
成長の早い王子様の薔薇の花。
垣根となりその枝葉を広げても、薔薇も気高さは変わりなく大きさも揃ってます。
先の王様は、このままだとケンゴの王様の冒険の話の、茨の国みたいになるのではないかと笑いました
そして
近隣諸国で噂となった話を思い出し、まさかな。と呟きました。
「王子は父様から、こんなお伽話を聞いた事はあるかな?
気高き魔女の龍が守る茨の国は、その龍を操る気高くも傲慢な魔女が呪いを掛けた。
どうやらそこのお姫様が原因だったらしいのじゃ
非常に美しいお姫様で、一目見ようと勇者や騒ぎの好きな若者、果ては盗賊などが茨の国の中に入ろうと挑んだのじゃが‥」
「国は龍が守っているんですね。
でも、国の中の人はどうしているのかしら。
茨が国を覆って、作物は採れないですよね?
困ってないのかしら」
先の王様は、王子様が話に引き込まれて、小首を傾げて一生懸命考える姿が愛おしくて堪りません。
「傲慢な魔女の呪いと言ったじゃろう。
茨の花が時を止める魔法の薫りを持っているとか、
石の様に固められているなど、色んな説が有る。
100年も昔の話だし、実際に見た者は居ないのでな。」
「でも
本当に有るのですよね
父様も見た。
ぼくも見たい‥」
王子様はある事を思い浮かべてましたが、先の王様はそれに気付けませんでした
最初のコメントを投稿しよう!