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人間も動物も虫や木々だって
眠りに就くときは、眠りの国へ行かなければなりません。
そっと目を閉じて、闇の中からの迎えの船に乗るのです。
時空や世界を越える自由の神の船。
蒼い大きな月が照らすだけの眠りの国。
門を開けると、有角類の動物や巨大な翼の生えた動物、人馬などの人と動物が合わさった空想や夢の世界の動物が、出迎えてくれます。
色の無い影のような動物達、彼らはこの夢の国から外へは出れません。
門を越えると消滅してしまうのです。
出られるのは一つだけ、眠りの国の王様の赤い血を吸って色と実体を得て、人々に信じられる時だけ。
闇撒き蝶が、闇の鱗粉を振り撒いて
そんな動物達を嘲笑うかのように
ヒラヒラと翅(はね)を動かします。
土を固めた一本道。
両脇に光り草のほの暗い明かりを頼りに、眠りに就くものは遠くに見える眠りの国の王様と謁見しなくてはなりません。
長い行列は光の速さで進みます。
ですから
誰も覚えてません。
覚えていても
夢だったと皆言うのです。
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