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眠りの国の王様はとても孤独な神様です。
毎日毎日、
みんなが謁見に来てくれるのに、誰も王様の事を覚えているものがいないからです。
人や動物達や虫や木々。
眠りに就く条件は、眠りの国の王様に謁見してご尊顔を拝見すること。
王様のお顔を見た途端、眠りの住人となるのですから。
その為に、お城はとても大きいのです
目覚める時はお城の出口から道を辿り、また船に乗って、寝ている身体に戻るのです。
眠りの国へ行くのは魂だけなのです。
眠りの国の王様はとても退屈してました。
「地下の客人達に会いたいな」
眠りの国のお城には、100年前からの夢の住人が居ました。
或る者に預かって欲しいと懇願されたので、孤独な王様は頷いたのでした。
以来、預かりものはすっかりと居着いてしまったのです
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