再会

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「将太、将太!」 「なんだよ、まどか」 「見て!見て!」 「おおっ、サッカーボールじゃん。どうしたの?」 「お母さんがくれたの。サッカーしよ?」 「よーし、俺のドライブシュート見せてやるよ!」 つたないボールの蹴り合い。 サッカーなんて呼べるもんじゃなかった。 小2の頃の記憶。 これだけで楽しかった頃。 いや、まどかといる事が楽しかった。 懐かしいなぁ。 「将太いくよー!」 「よーし、こーい!」 「タイガーショットーー!!」 ふむ、幼いながらに球が速いな。 ゴォォォォ ってか、速すぎね? ってか、避けられねぇ! 「ごふぅ!」 …………。 …………。 …………ビクッ! 「タイガーショットは反則だろ!」 って、夢か。 訳分からない独り言って ……恥っずいな俺。 「てか、さみぃな。」 何か肌寒い。 春だとはいえ夕刻になってくるとまだ肌寒いこの季節。 って、マジ寝してんじゃん!! そういや時間は? 18:06 おぉぅ、3時間寝ちゃった。 夕刻どころじゃなく、日落ちてるよ。エヘ。 …………。 じゃねぇぇぇ! まどかは何してんだぁぁぁ!! つーか、肩が重い! 疲れてるからか? いや、憑かれてる! もしかして、金縛り? まぁ、古い家だから。 貞子か! さーだこちゃーん! て、ほんとに重いよ。 肩に手を持って行くと何かある。 「あぁ?」 確認すると ……。 誰かいるけど。 ギャァァァァァァァァ!!貞子ーーーー!! ……ない。 それはない。 認めない。 ホラーは恐いからイヤなの。 よく見ると貞子(仮)可愛いな。 「スースー」 てか寝てるよ、貞子(仮)。 見た事あるよーな。 …………ん? …………んん? ま、ま、まま、まどかぁ!? 俺の肩にまどかが寄っかかって寝ていた。 「えぇーー!!」
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