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追憶・高3 5月
キーンコーンカーンコーン
「じゃあ、125ページの問題は宿題にしておくからやっておくように。じゃあ日直、礼」
「起立、気をつけ、礼」
今日もかったるい授業が終わった。
しかも日直だから更にだるい。
帰宅する奴、部活に行く奴、塾に行く奴。
そんな連中を見送った後に鍵を閉めて教室を出なきゃいけない。
だるい。この一言に尽きる。
他にも日誌とかあるが、そんなもんは授業中にぱぱっと終わらせた。
「おい、将太ぁ~」
「なんだよ、陸。はよ帰れ」
こいつは佐藤 陸。
高1からの付き合い。クラスメート。柔道部主将。ちゃっかり彼女いる。
てか、むかつくねん。俺に黙って彼女作って、休みの日は暇あらばデートして!背低いくせに!
「おい、将太!」
しかもあろう事か、俺が鈴木であいつが佐藤。
クラスじゃ『よくいる凸凹コンビ』とか呼ばれる始末。
「将太!!」
なんか、だんだんムカついてきたな……
ドゴッ!
頬に衝撃が走る。
「いってぇ!何だよ!」
「将太!親友が呼んでるのにどっかにイッてんじゃねぇ!」
「俺は頬を普通に殴る奴と彼女を作ったことを黙ってる奴を親友とは認めねぇ」
「両方俺の事じゃねぇか!まだあの事ぐじぐじ言ってんのかよ」
「ふん。で、なんだよ?」
「客来てんぞ。A組の児島さん」
「え?何で?」
A組の児島って言ったら学年で5番以内に入る可愛さの女子だ。
って事は……もしかして!
「知らん。まぁ、告白じゃない事は確かだ」
「ふぇ?違うの?確認したの?」
「した。違うって言われた」
「くっ、余計なことを……」
「はよ行け。待ってんぞ」
「覚えとけよ!バーカ!」
「ガキかっつーの」
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