鈴木将太・俺の事。

1/1
前へ
/33ページ
次へ

鈴木将太・俺の事。

 俺は鈴木将太。 この春菜町に生まれて、春菜町で育つ。 何の病気もかからずに健康にむくむくと体だけは育った。 今じゃ182cmもある。 父は鈴木二郎。 母は鈴木春子。 親父の記憶はほとんどない。親父は漁師をしてた。俺が3歳の頃に亡くなっている。 なんでも、漁中に海に投げだされてしまった仲間を自分を犠牲にして助けたらしい。 母は18で親父と結婚して19で俺を産んでいる。 いつも笑顔で気さくな人だった。 俺がやりたいっていったことは何でもさせてくれた。 ただ、間違ったことをするとむちゃくちゃ怒られた。 そして、俺の事は誰よりも喜んでくれた。 でも、俺が12の時に悪性の腫瘍が見つかり3ヶ月で逝ってしまった。 父は家を 母は 「父のように強い男であれ」 と、一言残した。 そして、俺は卒業を待たずして祖母の家に引っ越し、中学三年間は父の実家で過ごした。 高校生になり俺は両親が残した家に戻った。 両親と過ごした春菜町と繋がっていたかったから。 ……こうして考えると俺って大変?
/33ページ

最初のコメントを投稿しよう!

58人が本棚に入れています
本棚に追加