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下駄屋
「楠木商店」
通称「下駄屋」
まどかの家。
昔ながらのタバコ屋さん。
なんで下駄屋なのかは春菜町七不思議の一つになるくらい意味不明。
煙草と駄菓子が並んでいる。
人気商品はレタス太郎。
小学生が取り合うくらい人気。
レタスの味しないのに人気。
そもそも、どの菓子のサラダ味はサラダの味がしないけども人気。
納得いかないよなぁ~。
で、俺は今下駄屋の前にいます。
正直入りたくない。
今更、どんな顔して入れと?
だって、もう六年だよ?
むーりーだっーてー!!
ガラガラガラ…
「高校生に売るタバコはないよ」
「す、スイマセン!」
出てきた人に咄嗟に謝ってしまう。
「ん?ん?…うーん、将ちゃん?」
「えっ、あっ、あぁ!!ゆ、ゆかりさん?」
「将ちゃん!!」
「ゆかりさん!!」
ドゴッ
頬に衝撃が。
「へぶしっ!」
本日二回目だけど
「ゆかりさん?じゃない!!なんで越してきた時に連絡しないの!!」
「だって、顔出しづらくて……」
「言い訳すんなぁー!!」
ドゴッ
頬に衝撃が。
「ぶべらっ!」
俺殴られてばっか……
「あぁ~、スッキリした。」
ストレス発散されたけど!?
下駄屋から出てきたのは、楠木ゆかり。
まどかの母親で俺の母さんの後輩だ。
おばさんと言うより、お姉さんという感じだったから「ゆかりさん」と昔から呼んでいた。
「まぁ、いいや。上がりなよ。お茶くらい出すから」
「あ、はい。すんません」
下駄屋に入るのは六年ぶりだった。
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