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「おや? 二人揃って照れちゃった? もう、二人っともすっげー初なっ」
「いい加減にしなさい」
「あで!」
スパーン、とこよみが光星君の後頭部を叩いた。
ワォ良い音、まるで中に何も入っていないようだ!
光星君は叩かれたのにも関わらずニマニマと笑みを浮かべて(M?)、こよみに向き直る。
そしてぐんっと顔を近付けた。
「えっ何々。こよみも嫉妬? 俺と話す羽に嫉妬しちゃった?」
え!? あ、あたしに嫉妬!?
そんな馬鹿な、いくらこよみだってあんなゲーム談義で(あっ認めちゃった)嫉妬なんかするわけ……
「~~! だ、誰がっ」
ばっちりしとるがな!
あやー……こよみったら顔真っ赤。
「いやいや、本当にこよみは俺が好きだなぁ」
「だから、ちがっ」
「違わないだろー? 林檎ちゃんみたいな顔してェ」
……Sだ!
Mに見せ掛けたSだ!
Mに擬態した(?)Sだ!
「じゃあ俺から愛の証を示してあげましょうか?」
ニヤッと笑った光星君がこよみの顎に手をかける。
ってちょっと待てェェェ!
ここ学校! 健全な男女が勉学に勤しむ学舎!
「光、その辺にしといてさっさと作業しろ。片木、困ってんだろが。そんなん学校出ていくらでもやれ」
まさに鶴の一声。
鋭矢の言葉で、漸くあたしも我に返った。
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