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「うし、今日はこんなもんか」
「なかなかだよねコレ! 超めんどくせーけど」
「そういうのはセンセーに言ってくださいー、俺は言われたことをやっただけですぅ」
何へそ曲げてんだコイツ。まだ拗ねてるのか、そんなにお話したかったのか。
あたしは半分程出来上がったこの大作からちろりと目線を逸らし唇を尖らせる鋭矢を見た。
あたし達が作っているのは、当日体育館のステージの壁に貼るポスターのようなものだ。バカデカイ。
そこには大きな鳥が型どられていて、そこに全校生徒の折った鶴を貼り付けていく何とも気の遠くなるような作業をあたし達生徒会が先立ってやっている。
まぁ一応他の生徒もやるんだけど、それはちょこちょこーとやるくらいだからやっぱり一番の労働者はあたし達生徒会なのだ。
「クラス全然手伝ってないや、当日に押し付けられるかも」
「羽んとこ何やんの?」
「メイドさん」
「……何だと」
あたしの一言に反応したのは鋭矢だった。
ちょっぴりお冠、みたい?
「ご主人様の為に頑張ってご奉仕するにゃん☆」
ちょっとふざけてやってみた。両手は勿論猫の手です。
「「「……」」」
オイィィ!!
何かしら反応しろ、虚しいだろーが!!
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