2622人が本棚に入れています
本棚に追加
「……よーし、今日は解散、お疲れ!」
パンッ、と手を叩いて何事もなかったかのように労いの言葉を放つ鋭矢にあたしは掴みかかる。
「シカトはやめろぉぉ!! あたし痛すぎるでしょうが!」
「わかってんじゃねーか。今のはねーわ」
「うぜー!!」
何だよ! ちょっとしたお茶目じゃんかよ!
ケッ、と足元を蹴る。
「こよみのとこは?」
「私のクラスはカレー屋さん」
「昼飯決定ー!」
ケラケラと笑う光星君。
畜生何か負けた気分だ。すでにこよみのクラスには客が一人追加された。
あたしはがっしと鋭矢のワイシャツを掴む。
何だよ、と振り向く鋭矢にあたしは若干膨れっ面なまま言った。
「あたしのクラスに来てくれたらサービスするにゃん」
すると今度はさっきとはうってかわってポカン、と呆けた表情を見せた。
予想外の反応に、何故だか無性に恥ずかしくなってきたあたし(何で二の舞を踏んだ)。
取り繕うように目を泳がせながら弁解を始める。
「猫耳メイドはマジな話、可愛い子がご奉仕してくれるよ! あたしはいないと思うけど」
あたしは多分料理の方だな。菓子作りはそれなりにやるって言ってあるから、そっちに回されるだろう。
最初のコメントを投稿しよう!