07-END

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そうやって恥ずかしいこと 言って私が困るのをきっと 楽しんでるんだ。 「あほ、ばか。」 精一杯の抵抗でそう言えば。 クスリ、と笑う声。 「確かに。千絵馬鹿かもね。」 髪を撫でられて。 あーもう。 この男、どうしよう。 「ほんと、恥ずかしい…。」 「だって恥ずかしがる千絵が 可愛いから、悪いんだよ。 そんな姿、他の男に見せたら その男のこと抹殺しちゃうかも。 …なんてね。」 満面の笑顔で言うことじゃ ないし、雅弘なら本当に やってしまいそう。 青ざめるのはその台詞が 聞こえた私たちで。 見惚れるのは満面の笑顔だけを 見た人たち。 まさか、あの水城 雅弘が そんなことを言っているとは 思うわけもなく。 きっと周りは私に優しい笑顔を 向けている、とか思っている。 思わず苦笑がもれた。 .
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