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―千絵Side な、なな、何? 捕まれた腕の予想以上の 力強さにオトコを感じて。 近くで見たらキレイで。 心臓がいたい。 痛いくらいに脈打ってる。 頬に熱が集まって。 あれ、なんか凄く恥ずかしい。 『千絵』 突然腕をひかれた意味も。 突然名前で呼ばれた意味も。 よく分からないけど。 同じように呆然としている 笹野くんが目の前にいて。 少し笹野くんを睨みつけてる 副会長が吐息を感じるほど すぐ後ろにいて。 驚き。 焦り。 照れ。 でも、嬉しい、なんて。 おかしいよ、私。 「副会長…。」 「あぁ、ごめんね。」 パッ、と離された腕。 温もりだけ残って虚しい。 「じゃあ、笹野くん。 少し話をしようか。」 掴まれていた腕が気になって。 副会長の笹野くんへの毒はきも よく聞いていなかった。 .
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