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やっと一日の授業が終わる。 「梨乃、帰ろー。」 「うん、今日康くん部活だし。」 「知ってる。だから誘った。」 そう笑えば梨乃も嬉しそうに 笑った。 靴箱のところへ行ったところで。 「あ!ごめん! 携帯忘れちゃったー!」 「待ってるよ。」 そう言えば、ごめーんと 言いながら走っていった。 「あれ、前川さん。」 「あー副会長。」 「なにしてるの?」 「梨乃待ってるんだ。」 ふーん、と言いながら私の 横にたつ。 「副会…長?」 「一緒に待っててあげる。」 「え?! あ…ありがとう。」 え?どうしよう。 どうしようって何をどうする? 「前川さん、大丈夫?」 顔を覗き込まれて。 心拍数があがる。 顔が熱い。 綺麗な顔の茶色い瞳が 細められる。 ど…どうしよう! .
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