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「千絵!ごめ…ん。」
タイミングよく梨乃が現れて。
た…助かった。
「…お邪魔だった?」
「いや、そんなことないよ。
大丈夫、前川さん?」
「あ…大丈夫。」
気まずい雰囲気が流れて。
「千絵…帰ろっか?」
「う…うん。」
「ばいばい、水城くん。」
梨乃が手を振ると苦笑しながら
副会長もバイバイと言う。
「また明日、前川さん。」
「うん。」
副会長に背中をむける。
「千絵、名前…呼んでみたら?」
梨乃にそう言われて。
足を止める。
少し首を傾げる綺麗な男。
「また明日…、水城君!」
隣で梨乃がクスクス笑う。
「照れてるー。」
「…別に照れてないもん。」
満足。
あの仮面を被った男の驚いた
顔が見れたから。
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