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無事に入学式も終えたが、私の心は曇り空だった。
「授業は明日からだからさ、今日は学校これで終わりだけど…。」
「学校終わったんなら“先生”の仕事も終わりでしょ。さっさと帰ってよ。」
「…冷たいなあ。それはないんじゃない?」
私は、これからの学園生活のことを考えると頭が痛くなり、不機嫌だった。
「一応自己紹介するね~。さっきも言ったけど、名前は宮嶋成人。23歳。職員1年目だから、実は俺もこの学園のこと詳しく知らない。」
私はそっぽを向いたままでいた。
「とりあえずさ、いくら夏名が嫌がってもこれから3年間、俺ら二人で共に過ごすわけだし。」
「ちょっと…いきなり馴れ馴れしく下の名前で呼ばないでくれる?」
私は冷たく言い放った。
「学園内では夫婦なんだから、普通だろ?あ、言い忘れてたけど、お前の名前、学園で正式には相原夏名で登録はされてるけど、学園での公式の名前は宮嶋夏名になるから。」
「………は!?」
私は宮嶋の方を勢い良く振り返った。
「…学園内では夫婦だろ?」
「冗談じゃない!何で名前まで変わらなきゃならないの!?絶対やだ!」
「絶対やだって言われてもねぇ…俺が決めたことじゃないし。校則だからねぇ。」
「やだやだ!私は何があっても相原夏名だもん!」
私はそう叫ぶと、その場を走り去った。
「…可愛いやつ。」
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