謎の美女、聖良!

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寮に着いた。 寮の建物も呆れるほどの立派な建物だった。 私は、寮監督の先生に挨拶や手続きを終えた後、この女の子と大広間に向かった。 私たちは、大きな窓の横のテーブルに座った。 「自己紹介が遅れて、失礼だったわね。わたくし、橘聖良(たちばな せいら)と申します。本名は東宮聖良。これから仲良くしてくださる?」 「もちろん!よろしくね。」 そう言うと、聖良は嬉しそうに笑った。 「夏名さんは、どうしてこの学園に?」 「…東京に引っ越してきて、親に勧められてこの学園の編入試験受けたんだけど…」 「それで合格されたのね。さすがですわ!」 本当のことを言いたかったが、訳有り合格した理由も分からなかったので、言えず終いだった。 「聖良ちゃんは、もうこの学園には慣れてるの?」 「そうね。わたくしは中等部からこの学園にいるから、ほとんどのことは理解していますわ。」 「そうなんだ。」 「ええ。今の旦那様とも、もう4年目になりますわね。」 「担当職員って変わらないんだ…。」 私がぽつんと呟くと、聖良は声を張り上げた。 「当たり前ですわよ!夫婦とは、いかなる時も共にいるものよ。担当が変わるということは、再婚と同じことですわ。」 「さ、再婚!?」 「ええ。旦那様が変わるのですから。」 …この学園はやっぱり変だ。 改めてそう感じた。 「…じゃあ、もし担当職員を変えたらどうなるの?」 「当然、成績は最下位になるでしょうね。運が悪ければ留年の可能性もありますわ。」 「へぇ~…。」 「でも、夏名さんには問題ないことですわ。だって、あんな素敵な旦那様なんですもの。」 「……。」 私は、この学園を卒業できるのか心底不安になった。 .
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