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キーンコーンカーンコーン……
「あ~っ。やっと午前の授業終わったよ~。」
私は大きく背伸びをした。
「ずっと寝てたじゃん。」
「…うるさいなあ。それよりあんた、教師のくせにずっと私の横にいていいわけ?受け持ちの授業とかあるんじゃないの?」
「あ、生徒の旦那様になった大抵の教師は、週に1時間しか受け持ちの授業がないんだ。」
「……楽な仕事。」
「週に1時間だけ一緒にいれないけど、寂しくなって泣いたりするなよ?」
「さ~、お腹空いたし、学食でも行こうかな~。」
私は、宮嶋の言葉を無視して立ち上がった。
すると、宮嶋も私の後を歩いてついて来る。
「……ちょっと、ついて来ないでよ。」
「学園長の説明、聞いてなかったのか?“旦那様とは、いかなる時も共に行動する”。」
「………。」
私は何も言わずに学食へ向かった。
その間、すれ違う女子たちが宮嶋を見て騒いでいた。
学食へ行くと、私と宮嶋は共にカレーを選んだ。
「…真似しないでよ。」
「“いかなる時も”…って、これは俺の自由だけどね?」
宮嶋はそう言うと、軽く微笑んだ。
「…………ねぇ。」
「はい?」
「……ちょっと聞きたいんだけど。」
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